データは答えを持っていた。 PIARYの予約導線を、需要の実態に合わせて再設計した話
ピア街コンは、全国の街コン・婚活パーティー・恋活イベントを集約する予約プラットフォームです。予約ログを分析した瞬間、問いは変わりました。「UIをどう改善するか」ではなく、「なぜこの需要の偏りがUIに反映されていないのか」。そこから設計判断と実装を一人で引き受け、週末イベントへの最短経路を本番に届けるまでの記録です。
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街コン・婚活パーティー予約導線の改善
業界
ブライダル・マッチング・Eコマース
期間
2025年8月 - 2025年9月
役割
エンジニア x デザイナー
プラットフォーム
レスポンシブウェブサイト

課題の特定
予約の85%が週末に集中していた。しかし週末イベントにたどり着くには5ステップかかった。
予約データを分析したところ、全予約の約85%が土日のイベントに集中していることがわかりました。ユーザーの目的はシンプルで、「今週末に行けるイベントを探したい」というものです。ところが既存のトップページは、日時選択 → エリア選択 → 検索実行という汎用的な3ステップのフォームが中心でした。週末イベントに直接アクセスする手段はなく、最もニーズの高いユーザーが最も遠回りをしている状態でした。
データが示した事実
既存フローの問題
繰り返されるコスト
既存の検索フロー — Before

解決策
検索フォームを改善するのではなく、週末イベントへの直接導線を新設した
最初に検討したのは既存の検索フォームの改善でしたが、すぐに却下しました。フォームを使いやすくしても、ユーザーが毎回操作しなければならない構造は変わりません。問題は検索の使いやすさではなく、検索自体を必要としている設計でした。そこでホームページに「今週末・来週末のイベント」セクションを新設し、フォーム操作なしで直接イベント一覧を表示できるようにしました。
01 エリアの自動設定
未ログインユーザーにはイベント数が最も多い東京を初期表示し、ログイン済みユーザーには登録エリアを自動で参照します。ページを開いた瞬間から、ユーザーに関係あるイベントが見える状態にしました。
02 週末イベントのショートカット
「すぐ行ける街コン・パーティー」セクションを新設し、今週・来週のイベントを直接表示。日付やエリアを選ぶ手間なく、ワンタップでイベント一覧に到達できます。
03 スマホで見やすいカードレイアウト
スマートフォンでの利用が多いため、フォームへの入力よりカードを見比べて選ぶ体験を優先しました。イベント名・日時・エリア・残席数を一目でわかるレイアウトにしています。
04 設計から実装まで一人で担当
ワイヤーフレームの作成からPHP・jQueryによる本番実装まで一人で担当しました。デザインの意図がコードに正確に反映されるよう、設計と実装を分離しませんでした。
『すぐ行ける街コン・パーティー』— After

Technical Edge
デザインから実装まで一人でつなぐことで、意図の劣化をなくした
このプロジェクトではUX分析・UI設計・フロントエンド・バックエンド実装・リリース後の確認まで、一人で担当しました。設計者と実装者が別の場合、仕様の伝達ミスや意図のズレが生まれやすくなります。一人でつないだことで、デザインで決めた細かい挙動がそのままコードに反映されました。
担当スコープ
- 予約データの分析と課題の特定
- ワイヤーフレームとUIデザイン(Figma)
- PHP(EC-CUBE / Laravel)とjQueryによるフロント・バック実装
- リリース後の動作確認と改善
実装観点
- 会員DBとセッションを連携してエリア初期値を自動取得
- AJAXでページ遷移なしにイベントを表示
- スマホ操作を前提にタップ数とレイアウトを最適化
- 設計者と実装者が同一のため、仕様の伝達ミスがゼロ
成果
週末イベントへの導線を1ステップにしたことで、予約数とユーザー体験が同時に改善された
工数削減
80%
週末イベントへのアクセスが5ステップから1ステップに短縮。毎週繰り返していた操作が不要になった。
予約への影響
CVR ↑
週末イベントの予約数が増加。ユーザーが目的のイベントに早くたどり着けるようになったことで、予約完了率が上がった。
副次効果
Support ↓
「イベントが見つからない」という問い合わせが減少。UIが改善されると、サポート対応コストも下がる。
学び
「何を改善するか」より先に「何が本当の問題か」を問う
データは答えではなく、次の問いを教えてくれる
85%という数字を見て最初に思ったのは「週末UIを作ろう」ではなく「なぜこれが今まで作られていなかったのか」でした。データは答えではなく、正しい問いを立てるためのヒントです。このプロジェクトでデータを見た後に立てた問いが、解決策の方向を変えました。
汎用的なUIは、意図せず特定のユーザーに不利になる
既存の検索フォームは「全ユーザーに公平」に見えました。しかし実際には、最も利用頻度の高いユーザー(週末イベントを探す人)が毎回余計な操作をさせられていました。全員に同じUIを提供することは、特定のユーザーを不利にすることでもあります。